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AI時代の情シス業務効率化!IT活用による生産性向上の鍵

AI時代の情シス業務効率化!IT活用による生産性向上の鍵

AI時代の情シス業務効率化!IT活用による生産性向上の鍵

AI時代の情シス業務効率化!IT活用による生産性向上の鍵

最終更新日

労働力不足の懸念や働き方の多様化が進む現代、企業が競争力を維持するには「業務効率化」の推進は避けて通れません。ITインフラを一手に担う情報システム部門は、単なるツールの導入者ではなく、全社の生産性向上を牽引するエンジンとしての役割を期待されています。本記事では、業務改善の基本概念から、情シスならではの視点による具体的な進め方、陥りがちな落とし穴までを実務レベルで徹底解説します。

AIを活用してIT資産管理や業務プロセスを効率化し、情シス部門の生産性向上を実現するためのステップをまとめたインフォグラフィック。

業務効率化とは?生産性向上との違い

業務効率化とは、業務における無理・無駄・ムラを排除し、限られたリソースを付加価値の高い活動へ再配置することです。

単なるコスト削減や作業時間の短縮にとどまらず、プロセスの最適化とIT活用の相乗効果によって組織全体の生産性を抜本的に高める取り組みを指します。効率化によって投入する工数やコストを最小化し、その結果として産出される価値を最大化させるのが生産性向上の本質です。情シスにおいては、レガシーシステムの刷新や手作業の自動化が、現場のクリエイティブな時間を創出する直接的なトリガーとなります。

業務効率化と生産性向上の構造的な違いと関係性

▲ 業務効率化と生産性向上の構造的な違いと関係性

なぜ今、情シスが業務効率化を主導すべきなのか

結論から言えば、情シス主導でノンコア業務を削減し、「守りのIT」から「攻めのDX」へと転換することが、今や避けて通れない課題となっています。

2025年10月に発表された株式会社SmartHRの調査によれば、「2025年の崖」を完全に乗り越えられた企業はわずか7%にとどまり、約40%の企業が依然として深刻なレガシーシステムの課題を抱えています。さらに、ソフトクリエイトが2026年4月に発表した調査によると、情シス人材の不足を感じている企業は74.0%に達し、その担当者の約74.5%が「システム運用・保守」や「ヘルプデスク」などのルーティンワークに忙殺されています。

かつての効率化は現場の根性や工夫に依存していましたが、現在はSaaSやAI、RPAなどのデジタル技術を活用した仕組み化が主流です。全社のデータフローを把握し、セキュリティと利便性のバランスを制御できる情シスこそが、部門を横断したプロセス改善の適任者といえます。

業務効率化を阻害する主な要因

業務効率化を阻害する最大の要因は、シャドーITによるツールの乱立と、現場のデジタルリテラシー不足です。

シャドーITとツール乱立によるオーバーヘッド

現場が独自に導入した未承認のサービスや、類似機能を持つツールの重複は、管理工数を増大させセキュリティリスクを高めます。特にSaaSが爆発的に普及した現在、退職者や異動者のアカウント削除漏れが頻発し、不要なライセンスコストが増大しています。さらに、退職者が社内データにアクセスし続ける重大な情報漏洩リスクも深刻化しています。情シスはこれらを可視化し、全社的なITガバナンスのもとでプラットフォームを統合・整理する必要があります。

アナログな社内文化とデジタルリテラシーの壁

どれほど優れたシステムを構築しても、利用者のリテラシーが追いつかなければ、効率化の恩恵を享受することはできません。これまでのやり方が一番確実だという現場の抵抗や、ITに対する苦手意識は、変革のスピードを著しく低下させます。情シスには、技術的なサポートだけでなく、ITを活用することでいかに個人の業務が楽になるかを説く、チェンジマネジメントの役割も求められています。

業務改善を成功させる「ECRS」の原則

業務改善の定石であるECRSフレームワークを適用することで、論理的かつ漏れのない効率化が可能になります。

1. Eliminate(排除)

無駄な会議や、誰にも読まれていない報告書の作成など、付加価値を生まない作業をまず止めることから始めます。情シス実務においては、過剰な承認フローの撤廃や、形骸化したシステムログのチェック頻度の見直しなどが該当します。止めても問題が起きない業務を見極めることが、最短で成果を出す鍵となります。

2. Combine(結合)

類似した複数の業務やデータを一つにまとめることで、重複する工数や情報の乖離を防ぎます。例えば、入社手続きにおける人事システムへの登録とアカウント発行をAPI連携で自動結合させれば、情報の再入力を防げます。別々のシステムに点在するマスタデータを統合することも、データメンテナンスの効率化に直結します。

3. Rearrange(交換)

自社の社内リソースで行っていた定型業務を、外部の専門リソースである「デジタルBPO」へ置き換えるアプローチが有効です。PCのキッティングやアカウント改廃など、緊急性は高いが重要性は低いノンコア業務をアウトソーシングすることで、情シス担当者の時間をDX企画などのコア業務へ再配置できます。

4. Simplify(簡素化)

残った必要な業務に対し、ITツールやAIを活用して、誰でも簡単に実行できるように設計します。最新のトレンドでは、社内規程や過去のインシデント履歴を読み込ませたAIエージェントやチャットボットを導入し、従業員からの定型的な問い合わせを「自己解決」させる仕組みの構築がこれにあたります。

実務で役立つ業務効率化ツールの選び方と活用法

ツールの選定基準は多機能さではなく、自社の課題解決への適合性と運用定着のしやすさに置くべきです。

2026年現在の情シス業務効率化において、中心となるのは以下の3つのカテゴリです。

カテゴリ

機能・役割

期待できる効果

注意点・デメリット

SaaS管理(SMP)

利用SaaSの一元管理・可視化、アカウント自動改廃

シャドーITの検知、ライセンスコスト大幅削減

既存のシステム環境やSSO連携との親和性確認が必要

生成AI・AIエージェント

社内FAQの自動回答、コード生成、ログ解析

ヘルプデスクの自己解決化、対応時間の短縮

プロンプトの標準化と、情報漏洩を防ぐガイドライン策定が必要

デジタルBPO

キッティングや夜間監視などノンコア業務の代行

情シスの属人化解消、コア業務へのリソース集中

丸投げによる業務のブラックボックス化リスクがある

SaaS管理(SMP)によるシャドーIT対策とコスト最適化

SaaSの乱立が進む現在、SaaS管理プラットフォーム(SMP)の導入は急務です。社内で利用されているすべてのSaaSを自動で検知・可視化し、使われていないライセンスを解約してコストを最適化します。また、退職時のアカウント一括停止処理を自動化することで、作業漏れを防ぎ、重大な情報漏洩インシデントを未然に防止します。

「AI情シス」によるヘルプデスク自己解決化

LLM(大規模言語モデル)やRAG(検索拡張生成)を活用した「AI情シス」の構築がトレンドです。社内に分散するマニュアルや過去の問い合わせ履歴をAIが検索・要約し、従業員へ瞬時に一次回答を提示します。これにより、情シス担当者が対応していた定型的なヘルプデスク業務の大部分を削減し、自己解決率を大きく引き上げることができます。

3大業務効率化ツールの特徴と比較

▲ 3大業務効率化ツールの特徴と比較

実際の導入事例と成功事例

最新のITツールやAIを活用し、情シス主導で劇的な業務効率化を達成した国内企業の事例を紹介します。

【生成AIの全社活用】パナソニック コネクト株式会社

  • 業種・規模:製造業(国内全社員約1万2,400名対象)

  • 課題:プログラミング支援や文章作成、情報収集業務にかかる膨大な工数

  • 施策:GPT-4などを搭載した自社専用のAIアシスタント「ConnectAI」を開発・展開

  • 成果:導入後1年間で全社で18.6万時間の労働時間削減を達成。従来9時間かかっていたアンケート分析が6分に短縮されるなどの劇的な効率化を実現。

【AIによるサポートデスク効率化】富士通株式会社

  • 業種・規模:IT・通信業(グローバルビジネスアプリケーション事業本部)

  • 課題:社内サポートデスクにおける問い合わせ対応の属人化と長時間化

  • 施策:Salesforceのカスタマーサービス向け生成AI「Einstein for Service」を導入

  • 成果:過去データからAIが返信文案を自動生成する機能により、オペレーターの平均処理時間を89%削減、会話の自動要約で後処理時間を86%削減。

【SaaS管理によるシャドーIT対策】株式会社識学

  • 業種・規模:コンサルティング業(数百名規模)

  • 課題:従業員の入退社に伴うSaaSアカウント管理が手作業であり、削除漏れやシャドーITの把握が困難

  • 施策:SaaS・IT資産管理プラットフォーム「dxeco(デクセコ)」の導入

  • 成果:退職者のアカウント削除タスクが自動作成され工数が激減。情シスが検知できていなかったシャドーITを高精度に可視化し、無駄なライセンス費用を削減。

効果測定とKPI設定で効率化を可視化する方法

主観的な評価ではなく、定量的なデータで効果を測定することが、経営層からの継続的なIT投資を引き出すために不可欠です。

削減工数とコストの算出

最も分かりやすい指標は、改善前後の「作業時間 × 担当単価」によるコスト削減額の算出です。例えば、月間100件発生していた手動のアカウント発行をSMP連携で自動化した際、1件あたり10分削減できれば、月間で約16時間の工数削減となります。これを年間換算し、人件費として可視化することで、投資対効果を明確に示せます。

リードタイムやミスの発生率などの質の指標

スピードだけでなく、業務の質の向上も評価に加えるべきです。申請から承認までの期間短縮や、手入力の廃止によるミス撲滅、さらには従業員満足度の向上などが挙げられます。特に情シスへの直接の問い合わせ件数の減少は、AIチャットボットやFAQが正しく機能し、自己解決力が向上している証拠となります。

よくある誤解・失敗パターンと対策

IT効率化を推進する上で陥りやすい失敗事例と、それを防ぐための具体的な対策を解説します。

失敗パターン1:AIツールの「現場拒否」と情報漏洩懸念

生成AIを全社導入したものの、「使い方がわからない」「機密情報がAIの学習に使われるのが不安」という理由で現場で利用率が上がらないケースが多発しています。日本企業の多くがこの情報漏洩リスクを懸念し、本格導入を足踏みしています。

対策:AI製品の選定時に「入力データが学習に利用されない(オプトアウト)セキュアな環境」を構築し、プロンプト入力の明確なセキュリティガイドラインを策定します。また、最初は議事録の要約やメールの下書きなど、定型的で成功体験を得やすい「小さな業務」から段階的に適用させるスモールスタートが重要です。

失敗パターン2:BPOへの丸投げによる「ブラックボックス化」

情シスのリソース不足を補うためにデジタルBPOを導入した際、業務フローを整理せずにそのまま丸投げしてしまうと、社内にノウハウが蓄積されず、業務プロセスが完全にブラックボックス化する危険があります。

対策:BPO委託前に、必ず業務の棚卸しとドキュメント化(手順書・台帳の整備)を行います。どの業務を委託し、どの業務を社内に残すのか境界線を明確に定義し、定期的にベンダーと運用改善のミーティングを実施することで、コントロールを失わない体制を構築します。

よくある質問

情シスの業務効率化に関するよくある疑問にお答えします。

Q:情シスの業務効率化で、まず何から着手すべきですか?

A:まずは情シス自身のルーティン業務(定型業務)の棚卸しから始めましょう。特に負担の大きい「パスワードリセット」や「アカウント発行・削除」など、手作業で行っているノンコア業務を特定し、SaaS管理ツールやAIで自動化・簡素化できないかを検討するのが効果的です。

Q:IT効率化において、生成AIはどのように活用できますか?

A:情シス部門では、社内FAQを学習させたAIエージェントによる「ヘルプデスクの自己解決化」が最も期待されています。その他にも、システム運用時のエラーログ解析、マニュアルの自動生成、プログラミングのコード生成支援など、幅広い業務の工数削減に直結します。

Q:シャドーITを防ぐにはどうすればよいですか?

A:従業員による未許可のSaaS利用を防ぐには、社内ネットワークやブラウザ拡張機能と連携して利用サービスを可視化するSaaS管理プラットフォーム(SMP)の導入が最適です。可視化だけでなく、正規の申請フローを整備し、安全なツールを迅速に提供できる社内体制を作ることも重要です。

本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。

監修

Admina Team

情シス業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード Adminaが提供します。
SaaS・アカウント・デバイスの管理を自動化し、IT資産の可視化とセキュリティ統制を実現。
従業員の入退社対応や棚卸し作業の工数を削減し、情報システム部門の運用負荷を大幅に軽減します。
中小企業から大企業まで、情シス・管理部門・経営層のすべてに頼れるIT管理プラットフォームです。

まとめ

※本記事は、情報システム部門向けIT活用・業務効率化を専門とする編集部が調査・執筆し、IT導入支援の実務経験を持つ監修者がレビューしています。

情シス主導の業務効率化は、単なる工数削減ではなく、企業全体の競争力を左右する「攻めのDX」への第一歩です。2025年の崖や深刻なIT人材不足を乗り越えるためには、SaaS管理(SMP)や「AI情シス」、そしてデジタルBPOといった最新のアプローチを戦略的に組み合わせることが不可欠です。

まずは社内で最も「面倒だ」「時間がかかる」とされている定型業務を一つ特定し、ITの力で解決してみてください。その小さな成功体験の積み重ねが、組織全体のデジタル変革を力強く後押ししていくはずです。

明日からできるネクストアクション

  • ✅ 情シスの定型業務(アカウント発行・パスワードリセット等)を棚卸しする

  • ✅ シャドーITの実態調査を行い、未承認SaaSを可視化する

  • ✅ ヘルプデスクへの問い合わせ件数・種別を集計し、自動化対象を特定する

  • ✅ SaaS管理ツールまたはAIチャットボットの無料トライアルを1つ試してみる

  • ✅ 効果測定のKPI(削減工数・コスト)を設定し、経営層への報告フォーマットを準備する