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突然「トロイの木馬に感染しました」という警告画面が表示されてパニックになっていませんか?まずは落ち着いてください。その警告の多くは「サポート詐欺」と呼ばれる偽物であり、ブラウザを強制終了するだけで解決します。本記事では、偽警告の消し方をWindows・Mac・iPadなどデバイス別に具体的に解説します。
「トロイの木馬に感染しました」の偽警告とは?なぜ出るのか?
この記事でわかること
警告画面の多くはウイルス感染ではなく「サポート詐欺」と呼ばれる悪質なウェブページ
悪質なインターネット広告(マルバタイジング)を通じて意図せず表示される仕組み
画面の指示に従わず、ブラウザを強制終了するだけで実害は防げる
電話をかけたり、遠隔操作ソフトをインストールしたりすることは絶対に避けること
警告画面はシステムがウイルスに感染したわけではなく、悪質な広告を経由して表示された単なるウェブページです。
警告は本物ではなく「サポート詐欺(フェイクアラート)」
突然「トロイの木馬に感染しました」という派手な画面が表示された場合、それは「サポート詐欺」と呼ばれる詐欺手法です。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2024」でも個人の脅威として挙げられており、同機構の相談窓口には四半期ごとに数百件規模の相談が寄せられています。詐欺グループの目的は、ユーザーの恐怖心を煽り、表示された電話番号に連絡させて有償のサポート契約を結ばせたり、遠隔操作ソフトをインストールさせたりして金銭を奪うことです。
なぜ突然警告が出るのか?原因は「マルバタイジング」
検索エンジンで情報収集していたり、普通のニュースサイトを見ていたりしただけなのに、突然警告画面が表示されて驚いた方は少なくありません。原因の多くは「マルバタイジング(悪意のある広告)」です。一般のウェブサイトに配信されている広告枠の中に悪質なプログラムが仕込まれており、それを意図せずクリック(または表示)した瞬間に、偽警告のページへと強制的にリダイレクト(転送)される仕組みになっています。PCのシステム自体がウイルスに感染したわけではないため、ページを閉じれば問題ありません。
警告画面が出たときに「絶対にやってはいけない」3つのこと
偽警告はとにかく行動させることが目的です。画面の指示はすべて無視し、ブラウザを閉じるだけでOKです。
1. 表示された番号に電話をかける
画面上に「今すぐサポートセンターに連絡してください」とフリーダイヤルなどの電話番号が表示されても、絶対に電話をかけてはいけません。電話をつなぐと、マイクロソフトやAppleなどの有名企業のサポート窓口を名乗る詐欺師が言葉巧みに対応し、高額なサポート費用を請求してきます。着信履歴から折り返し電話がかかってきても絶対に出ないでください。
2. クレジットカード情報や電子マネーで決済する
「ウイルスを駆除するために〇〇円の支払いが必要です」と要求され、クレジットカード番号の入力を求められたり、コンビニエンスストアでプリペイド型電子マネー(Apple Gift CardやGoogle Playカードなど)を購入して番号を伝えるよう指示されたりするケースがあります。一度番号を伝えてしまうと、すぐに換金され取り戻すことは極めて困難になります。これらはすべて詐欺の典型的な手口です。
3. 遠隔操作ソフトをインストールする
電話口で「状況を確認するために必要」と言われ、AnyDeskやTeamViewerなどの遠隔操作ソフト(リモートコントロールツール)をインストールするよう指示されることがあります。これをインストールしてしまうと、第三者にPC内を自由に閲覧・操作する権限を与えることになり、個人情報やオンラインバンキングのログイン情報などの情報漏洩につながる危険性が高くなります。
トロイの木馬警告の「本物」と「偽物」の見分け方
電話番号を表示して連絡を促してくる警告画面は、まず偽物と考えて問題ありません。以下の特徴と照らし合わせて判断してください。
偽警告(サポート詐欺ポップアップ)の典型的な特徴
以下の特徴に1つでも当てはまれば、それは偽警告です。
ウェブブラウザ(Edge、Chrome、Safariなど)の画面全体に大々的に表示される
「ピーピー」という派手な警告音や、合成音声によるアナウンスがループ再生される
「〇〇分以内に対応してください」といったカウントダウンタイマーが表示される
画面上に「010」や「050」等から始まるサポート窓口の電話番号が記載されている(近年は「010」から始まる国際電話番号が使われるケースが増えています)
「閉じる(×)」ボタンが隠されている、またはクリックしても反応しない
本物のセキュリティソフトによる警告の特徴
本当にマルウェア(トロイの木馬など)に感染した場合、Windows標準の「Microsoft Defender」や、導入済みの正規セキュリティソフト(ウイルスバスターやノートンなど)が反応します。本物の警告は、画面の右下(システムトレイ付近)に小さなポップアップとして静かに表示されます。派手な警告音を鳴らしたり、電話番号を表示して連絡を求めてきたりすることは絶対にありません。また、ウイルスの隔離や駆除の処理は、セキュリティソフトの管理画面内で自動的に完結します。
デバイス別「トロイの木馬」偽警告の消し方
ブラウザの「×」ボタンが効かない場合は、キーボードのショートカットやタスクマネージャーを利用して強制的にプロセスを終了させます。
パソコン(Windows)での消し方
画面がフリーズしたように見えて操作できず困惑している場合は、以下の手順でブラウザを強制終了してください。
キーボードの「Esc」キーを約3秒間長押しし、全画面表示を解除します。
画面の右上に「×」ボタンが現れたらクリックして閉じます。
それでも閉じない場合は、キーボードの「Alt」キーを押しながら「F4」キーを押します。
上記を試しても閉じられない場合は、タスクマネージャーを起動します。キーボードの「Ctrl」+「Shift」+「Esc」を同時に押し、表示されたリストから利用中のブラウザ(EdgeやChromeなど)を選択して「タスクの終了」をクリックします。
Macでの消し方
Macを利用している場合の手順は以下の通りです。
画面左上のアップルメニュー(りんごマーク)から「強制終了」を選択するか、キーボードの「Option」+「Command」+「Esc」を同時に押します。
「アプリケーションの強制終了」ウィンドウが開いたら、利用中のブラウザ(SafariやChromeなど)を選択します。
右下の「強制終了」ボタンをクリックしてアプリを完全に閉じます。
iPad・iPhoneでの消し方
スマートフォンのブラウザでも同様のサポート詐欺が表示されることがあります。以下の手順で対処します。
Safariなどのブラウザで、画面右下の四角いアイコンをタップし、現在開いている偽警告のタブの「×」ボタンを押して閉じます。
タブが閉じられない、あるいは操作が効かない場合は、端末のホーム画面から「設定」アプリを開きます。
「Safari」を選択し、下部にある「履歴とWebサイトデータを消去」をタップしてキャッシュと閲覧履歴を一括で削除します。
偽警告の指示に従ってしまった場合の対処法
万が一相手に情報を渡してしまった場合は、直ちにネットワークを切断し、金融機関や専門機関へ相談して二次被害を防ぎましょう。
相手に電話をかけてしまった場合
電話をかけてしまっただけであれば、すぐに電話を切り、端末の設定でその番号を着信拒否にするだけで実害は防げます。その後、折り返しの電話がかかってきても絶対に出ないでください。
クレジットカード情報等を伝えてしまった場合
クレジットカード番号を口頭で伝えてしまった、あるいは入力フォームに打ち込んでしまった場合は、直ちにクレジットカード会社の裏面に記載されている紛失・盗難窓口へ連絡し、カードの利用停止と再発行の手続きを行ってください。電子マネーの番号を伝えてしまった場合も、発行元のサポートセンターへ連絡して被害の報告を行います。
遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合
PCに遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合、第三者にPC内を自由に操作される状態になっています。以下の手順で早急に対処してください。
即座にPCからLANケーブルを抜くか、Wi-Fi設定をオフにしてネットワーク(インターネット)から切断します。
PCのコントロールパネルや設定画面から、インストールしてしまった遠隔操作ソフト(AnyDesk、TeamViewer等)をアンインストールします。
オフライン状態で、導入済みのウイルス対策ソフトを起動し、フルスキャンを実行します。
不安が残る場合は、PCの初期化(OSの再インストール)を検討するか、href="https://www.ipa.go.jp/security/anshin/about.html" target="_blank" rel="noopener">IPAの情報セキュリティ安心相談窓口へ速やかに相談してください。
偽警告を繰り返し表示させないための予防策
一度偽警告に遭遇したら、同じ経験を繰り返さないための対策を講じておくことが大切です。特別な知識がなくても実践できる方法を紹介します。
OSとブラウザを常に最新の状態に保つ
WindowsやmacOSのアップデートを後回しにしていると、既知の脆弱性を突かれてマルバタイジングの被害を受けやすくなります。OSの自動更新を有効にし、EdgeやChromeなどのブラウザも定期的に最新バージョンへ更新しておきましょう。
広告ブロッカーを導入する
マルバタイジングの入り口となる悪質な広告を、ブラウザの拡張機能でブロックする方法が効果的です。「uBlock Origin」などの広告ブロッカーをブラウザに追加しておくと、偽警告ページへのリダイレクトを未然に防ぐことができます。
セキュリティソフトを導入してフルスキャンを定期実施する
Windows 11には「Microsoft Defender」が標準搭載されており、適切に機能していれば基本的な防御は整っています。それでも不安な場合は、市販のセキュリティソフトを追加導入し、月に1度程度のフルスキャンを習慣にすると安心です。
不審なリンクや広告をクリックしない
「当選しました」「PCが危険な状態です」といった煽り文句のバナー広告や、見覚えのないサイトへのリンクは慎重に扱ってください。特に、検索結果の上部に表示される「広告」ラベルの付いたリンクは、正規サイトに見せかけた偽サイトが含まれることがあります。
よくある質問(FAQ)
警告音が鳴り止まないのですが、無視して大丈夫ですか?
無視して全く問題ありません。警告音はウェブページに埋め込まれた音声ファイルがループ再生されているだけです。デバイス本体が異常をきたしているわけではないため、音量ボタンでミュートにするか、前述の手順でブラウザを強制終了すれば音は鳴り止みます。
掲示板で「ウイルスに感染した」と言われましたが本当ですか?
一般の掲示板では、「PCが初期化される」「ウイルスに感染しているから業者に頼むべき」といった不正確な回答が寄せられていることがあります。公的機関(IPAや警察庁)が注意喚起している通り、ブラウザ上の警告画面が出ただけではウイルス感染は成立しておらず、単なる「サポート詐欺」です。匿名の掲示板ではなく、信頼できる専門機関の情報を優先してください。
警告画面を消した後にPCを初期化する必要はありますか?
単に警告画面が表示されただけで、電話をかけたりソフトをインストールしたりしていなければ、PCを初期化する必要はありません。ブラウザを強制終了した後に、念のためセキュリティソフトでフルスキャンを実施し、脅威が検出されなければそのまま安全に使用し続けることができます。
家族が高齢で操作に不慣れな場合、どう備えればよいですか?
あらかじめ「警告音が鳴っても電話しない」「家族に連絡してから動く」というルールを共有しておくことが最も有効です。スマートフォンやタブレットであれば、強制終了の手順を紙に書いてデバイスのそばに貼っておくだけでも、いざというときの冷静な対処につながります。
まとめ
トロイの木馬を装った偽警告(サポート詐欺)は、ユーザーのパニック心理を巧みに突く悪質な手口です。突然の警告音やカウントダウンに驚くかもしれませんが、まずは「ブラウザを強制終了する」という冷静な対処を心掛けてください。万が一トラブルが起きた際は、個人で抱え込まずにhref="https://www.ipa.go.jp/security/anshin/about.html" target="_blank" rel="noopener">IPAなどの公的機関の情報を確認し、適切な初動対応を取りましょう。
今すぐ確認できるチェックリスト
✅ 警告画面が出てもブラウザを強制終了するだけで対応完了
✅ 表示された電話番号には絶対に電話しない
✅ 遠隔操作ソフトのインストール要求は即座に拒否する
✅ OSとブラウザを常に最新の状態に保つ
✅ セキュリティソフトを導入し、定期的にフルスキャンを実施する
本記事の内容に誤り等がございましたら、こちらからご連絡ください。
監修
Admina Team
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